文字 
  • ホーム
  • 岡山のニュース
  • 動脈硬化予防に効果 独自開発の脳梗塞治療薬 マウスで確認 岡山大、就実大研究グループ

動脈硬化予防に効果 独自開発の脳梗塞治療薬 マウスで確認 岡山大、就実大研究グループ

西堀正洋教授

森秀治教授

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の西堀正洋教授(薬理学)、就実大薬学部の森秀治教授(応用薬学)らの研究グループは、独自開発した脳梗塞(こうそく)の治療薬が動脈硬化の予防にも効果があることを突き止めた。マウス実験で、高脂血症による血管内壁の盛り上がり(プラーク)の発生面積を約6割抑制できることを確認。19日、米国であった米心臓学会年次会で発表した。

 実験では、脳内などで炎症を促進するタンパク質「HMGB1」の活動を抑制する脳梗塞の治療薬を使用。遺伝子操作で高脂血症になりやすくした2グループのマウス(各10匹)に高脂肪食を8週間与え続け、その間、一方のグループにだけ治療薬を週2回投与した。

 その結果、大動脈内に発生したプラークの面積は薬を投与した方が平均8万平方マイクロメートル(マイクロは100万分の1)で、投与しなかったグループの約4割に抑えられた。

 動脈硬化は白血球の一種が酸化LDL(悪玉)コレステロールを取り込み、血管内で炎症を起こして発生する。従来はLDLコレステロールを減らす薬を投与して予防していたが、両教授は炎症を抑える薬でも予防できると考えた。

 西堀教授は「炎症の抑制で動脈硬化を防ぐ薬は例がない。動物実験でデータを蓄積してて安全性を確認し、5年以内の臨床試験につなげたい」としている。

 薬は両教授が2007年に開発し、動物実験で脳梗塞の治療効果を確認している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年11月20日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ