文字 

まび記念病院2月1日に完全復旧 7カ月ぶり、14診療科体制

2月1日から14診療科体制で全業務を再開するまび記念病院(画像の一部を加工しています)

1階エントランスホールの柱には浸水水位と同じ高さに線が引いてある

修繕を終えた1階に新しい検査機器を搬入する業者=15日

 西日本豪雨で一時は機能を失う被害を受けた倉敷市真備町地区の中核医療機関「まび記念病院」(同町川辺)は2月1日、約7カ月ぶりに全業務を再開する。水没した1階の修繕を終え、検査機器も新調して14診療科体制を整備。リハビリ設備を拡充するなど被災前より機能を強化し、新たな一歩を踏み出す。

 同病院は昨年7月の豪雨で機能停止に追い込まれたが、同月中に屋外仮設施設で内科、外科、小児科の外来業務を再開。9月には4階建て病棟の2階を拠点に診療科を11まで増やし、十分な電力を確保できた12月からは再び入院患者を受け入れるなど、住民の医療ニーズに応えるため急ピッチで復旧を進めてきた。

 新たな診療体制は、現状の内科、外科、小児科、整形外科、皮膚科、泌尿器科、胃腸科、放射線科、呼吸器内科、循環器内科、人工透析内科に、リウマチ科、眼科、リハビリテーション科を加えた14科。1階リハビリ室を以前より広げて専門性の高い心臓、呼吸器疾患の患者らにも対応する。受診者が多いリウマチ科は専門医を配置して強化する。病床数は40から元の80に戻す。

 1階の工事は今月中旬に完了。水没した磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)を新たに設置し、エントランスホールの柱には豪雨の記録を残すため、浸水時の水位(約3・3メートル)と同じ高さに線を引いた。

 同病院によると、被災以降減少した受診者数は復旧の進展とともに回復。7、8月は1日平均60人と通常の5分の1にとどまったが、病棟外来が再開した9月以降は150~200人まで戻った。仮設住宅などへ移った患者の多くも、診療データを共有する倉敷、総社市の関連2医療機関で受け入れており「全体でみれば落ち込みは限定的。『復旧したらまび記念病院に戻る』と話す人も多い」と村上和春理事長は言う。

 財政状況の安定化を図るため職員の減給を行い、離職者も出たが、現在は業務再開に必要なスタッフを確保。給料も2月から従来基準に戻せる状況という。村上理事長は「職員たちが頑張ってくれたおかげで前進できた。充実した医療を提供し、復興を目指す地域住民の人生をしっかり支えていきたい」と力を込める。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年01月28日 更新)

タグ: 医療・話題

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ