文字 

真庭の樋口さんが自宅に助産院 「県北の産前産後ケア支えたい」

関節や筋肉をほぐすストレッチを伝授する樋口さん(左)

 真庭市見尾、助産師の樋口美貴子さん(37)が、自宅に助産院を開業した。お産は扱わず、産前産後のケアやママ友づくりをサポート。県南と比べて産科医療機関が少ない県北で、安心して産み育てられる環境づくりに一役買う。

 「両手を上に伸ばし、お尻は突き出す…」。1月28日に同院であったストレッチのワークショップ。子育て中の母親2人が、樋口さんの指導でみっちり1時間、普段使わない体の部位をほぐした。「体が楽になった感じ。いいケア法を知った」と女性(36)=同市=は満足げだ。

 疲れにくい体づくりにつなげてもらおうと、整体の知識を生かして初企画。今後も定期開催していくという。

 総社市出身の樋口さんは、結婚を機に真庭市の夫の実家に移り住み、落合病院(同市落合垂水)の産婦人科に勤務した。ただ出産後の母親に授乳法などを助言してあげたいと思っても、退院で関係が切れてしまう事例を何度も経験。そこで約2年前に正職員からパートに切り替えて時間をつくり、個人として子育て相談やマッサージの出張サービスを始めた。

 昨年10月には自宅の一室に「咲月(さつき)助産院」を開設。来所者の対応を可能にした。母親の仲間づくりや気分転換を狙ってワークショップも始め、子どもの手形や足形でアート作品を作るメニューなども用意する。

 真庭市内でお産が可能だったり、母親の相談に応じられたりする施設は、南部の落合地域に落合病院と助産院が1カ所ずつあるだけ。樋口さんは市中央部を拠点としており「田舎であっても、ゆったりと笑顔で子育てしてもらいたい。それを支えるお母さん的存在になれれば」と話す。

 診療は原則月曜~土曜午前9時~午後5時だが、緊急時もなるべく対応する。施術や相談の内容により市の助成がある。問い合わせは咲月助産院(080―3762―9030)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年02月03日 更新)

タグ: 女性お産

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ