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長期療養患者の就職支援へ窓口 ハローワーク岡山設置4病院に増

 がんや糖尿病といった長期療養が必要な患者の就職を支援しようと、岡山公共職業安定所(ハローワーク岡山、岡山市北区野田)は総合病院と連携した取り組みを強化している。これまで岡山大病院(同鹿田町)だけだった出張相談窓口を岡山市内の3病院にも開設。専門の職員を派遣し、治療状況などを踏まえた対応に当たっている。

 厚生労働省が2016年度から全国で始めた長期療養者就職支援事業(がん患者等就職支援対策事業)の一環。各地のハローワークががん診療連携拠点病院などと協定を結び、院内に相談窓口を設けて対応する。県内では、ハローワーク岡山が16年5月に岡山大病院に開設したのが初めて。

 1月には、岡山済生会総合病院(同国体町)、岡山赤十字病院(同青江)、国立病院機構岡山医療センター(同田益)に窓口が設けられた。

 ハローワーク岡山の職員で、産業カウンセラーの資格を持つ「就職支援ナビゲーター」を各病院に派遣。個々の患者の病状や治療状況などを踏まえ、希望や能力、適性に応じた求人を探したり、アドバイスしたりしている。仕事と治療の両立についてや、離転職する必要があるかといった相談にも応じている。

 相談は予約制で、各医療機関に入院・通院している患者らが無料で利用できる。

 がんの早期発見や治療法の進歩により、がん診断後の5年生存率は年々上昇し、近年は6割を超えている。治療を受けながら生きがいや生活の安定のために就職を希望する人に対する支援が社会的課題となる中、がん以外の肝炎や糖尿病といった長期療養が必要な患者も対象とする。

 毎月第2、4水曜に窓口が開設される岡山医療センターの担当者は「患者の仕事に対する不安を解消し、治療に専念できるようにすることで、順調な回復につながれば」と期待している。

 問い合わせはハローワーク岡山(086―241―3701)の長期療養者相談窓口。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年03月02日 更新)

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