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津山中央病院「ダヴィンチ」導入 県北初、内視鏡手術支援ロボット

市民らにお披露目された津山中央病院のダヴィンチ

 津山中央病院(津山市川崎)は、内視鏡の手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入した。岡山県内では岡山大病院(岡山市北区鹿田町)など岡山、倉敷市の計5施設で運用されているが、県北では初めて。当面は前立腺がんに限定し、初めての手術を6日に実施する。

 ダヴィンチは、執刀医がコンソール(操作装置)のモニターに映し出された立体映像を見ながら、カメラや鉗子(かんし)を取り付けた4本のロボットアームを操作して手術する。アームの先端の可動域は人間より広く、手ぶれ補正機能もある。腹部に小さな穴を開けるだけでいいため、患者の体への負担も軽い。

 津山中央病院へは昨年11月に納入され、泌尿器科の医師らでつくるチームがシミュレーターや専門施設で所定の訓練を重ねてきた。購入費は約2億円。

 2月21日にはダヴィンチの導入報告会が開かれ、外来患者や市民、医療関係者ら計約170人が医師らの指導の下、模型を使ったシミュレーションを体験した。操作通りにロボットアームが動くと、体験者からは驚きの声が上がっていた。

 河辺の会社員男性(50)は「動きが滑らかで、立体映像で奥行きも分かりやすい。医師の方々の負担も軽減されると思う」と話した。

 同病院では2016年3月に整備した「がん陽子線治療センター」で前立腺がん患者への陽子線治療も行っている。同病院の林同輔院長は「ダヴィンチの導入で、陽子線との選択肢も示すことができるようになれば、泌尿器科の診療の質はさらに高まる。今後は消化器がんへの運用拡大も視野に入れていきたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年03月05日 更新)

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