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女性梅毒患者1.5倍61人に 18年 岡山県、若年層へ啓発強化

 岡山県感染症対策委員会が14日、岡山市内で開かれ、県内で感染が広がっている性感染症の梅毒について、2018年の女性患者が61人に上り、前年(39人)の約1・5倍に増えたことが報告された。県は患者が多い若年層への啓発を強化する方針を示した。

 男性を含めた全患者数は160人(前年比12人減)で、現行の集計方式になった1999年以降では17年に次ぐ多さ。人口100万人当たりの患者数も83・3人で、大阪府(134・2人)、東京都(130・2人)に次いで全国3番目だった。

 女性患者の内訳は、10代9人▽20代29人▽30代10人▽40代8人―など。県によると、約半数が夫や恋人といったパートナーからの感染だった。女性患者が増えた理由は不明だという。

 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因。感染後約3週間で陰部などにしこりができ、いったん消えた後、3カ月以上経過してから全身に発疹が出る。抗菌薬で早期治療すれば完治するが、放置すると心臓や脳が侵され、死に至ることもある。妊娠中に感染すると、流産や死産などの恐れもある。

 この日の委員会では委員の医師らから「若い女性をターゲットに注意喚起する必要がある」との意見が出された。

 県は新年度、中高生向けに漫画による啓発パンフレットを作るほか、早期発見・治療するために若い人が受けやすい検査方法を検討することを説明した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年03月15日 更新)

タグ: 感染症

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