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「精神疾患」地域でケアの試み 美作大など初企画、多様な講座

伝言ゲームなどを通して言葉にとらわれないコミュニケーション方法を学んだ講座=19日、美作大

 精神疾患のある人がメンタルヘルスを保って豊かに地域で暮らすため、支援者や市民と一緒に学ぶ「リカバリーカレッジみまさか」という試みが津山市内で行われている。従来の専門家主導だった精神保健分野のケアを地域ぐるみで対応しようとの狙いがある。自立に役立つ多様な講座を用意し、教育を通じて当事者のリカバリー(回復)につなげる。

 英国発祥で東京都立川、佐賀、名古屋市をはじめ、岡山県内では岡山市で開講されるなど、国内でも広まりつつある取り組み。津山では医療機関や福祉作業所、美作大などでつくる実行委員会が初めて企画した。実行委事務局の希望ヶ丘ホスピタル(田町)職員といった専門職だけでなく、当事者も講師を務める。

 美作大(北園町)などを会場に4月14日にスタート。6月30日まで11講座を展開する。自分の人生を振り返ったり、気持ちが沈んだ時の解消方法を考えたりするほか、ヨガやフットサルといった体を動かすカリキュラムも設けた。作州地域の約30人が受講している。

 19日に同大で開かれた講座「セリフがいらない演劇部」には約10人が参加。同ホスピタルの精神保健福祉士で舞台俳優の経験がある原田紀行さん(43)を進行役に、鬼ごっこや、伝言ゲームなどを通して言葉にとらわれないコミュニケーションの手法を学んだ。

 参加した同大3年の女子学生(20)は「当事者の方の笑顔を見ることができてうれしい。支援にはさまざまな方法があることを知った」と話した。

 次回は6月2日。受講生以外も申し込めば単発で参加(受講料必要)できる。来年以降も年1回の開催を予定しており、実行委は「他人とつながり、自分の人生を生きるための学びを得る場となれば」としている。

 問い合わせは同カレッジ事務局(090―4892―2488)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年05月31日 更新)

タグ: 精神疾患

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