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仮設入居52%が精神的不調訴え 県調査で「災害思い出す」31%

 岡山県は、昨年7月の西日本豪雨により倉敷、総社市で被害に遭い、仮設住宅に入居している人を対象に実施した「こころとからだの健康調査」の結果をまとめた。心に何らかの課題が「大いにある」「ある」と、精神的な不調を訴えたのは52・3%に上り、さらなる支援の必要性が浮き彫りとなった。

 心の健康状態に関する設問は、「神経過敏」「絶望的」「何をするのも骨折り」―と感じるかといった6項目。「いつも」から「全くない」までの5段階でそれぞれ回答を求め、数値化して課題があるかを分析した。

 少しでも自覚があった人の割合は、神経過敏65・5%▽気分が沈み込み晴れない64・1%▽骨折り61・3%▽そわそわ落ち着きがない53・9%▽絶望的51・6%▽価値のない人間だと感じる41・9%―の順に多かった。心の課題が「ない」のは、全体の47・7%だった。

 災害の記憶について「過去1週間に2回以上、思い出したくないのに思い出したり夢に見たりしたか」との問いには、31・8%が「ある」と回答。思い出すと「気持ちがひどく動揺する」は17・4%、「動悸(どうき)や呼吸が苦しくなるといった体の反応が起きる」は5・5%だった。

 このほか、体を動かす機会の変化について「1年前より少ない」と答えたのは53・5%で半数を超えた。サロンや親子クラブなど組織活動に「参加していない」は77・8%、相談相手が「いない」は16・9%に上った。

 メンタル面で早急な支援が必要と判断した88人については、既に保健師ら専門職が訪問するなどしている。県健康推進課は「精神的な面での課題が大きいことが分かった。それぞれに必要な支援につなげるため、効果的な対策を検討していく」としている。

 調査は、建設型と借り上げ型の仮設住宅に住んでいる18歳以上を対象に1~2月に実施。全3123世帯(昨年12月時点)に戸別訪問、郵送し、55・6%に当たる1736世帯の3662人が答えた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年06月11日 更新)

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