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地域催しで“出前”健康相談 岡山県内の医療・介護職ら

屋台でコーヒーを入れ、血圧を測りながら住民と対話する「コミュニティメディスト」のメンバー(右側の2人)

 コーヒーと一緒に健康相談も“出前”します―。岡山県内の医療・介護職らのボランティアグループが地域に出向き、屋台で飲み物を振る舞いながら、健康や医療について対話する活動を始めた。医療機関に縁のない人にも専門職を身近に感じて、健康への関心を高めてもらう狙いだ。

 「コーヒーいかがですか」。ポットを手にした理学療法士池田朋大(ともひろ)さん(27)が住民たちに声を掛ける。

 7月7日、池田さんをはじめ医師や看護師、介護福祉士ら10人でつくるグループ「コミュニティメディスト」が、岡山市北区岡輝地区で住民約60人が集った食事会「岡輝みんな食堂」を訪れた。カレーライスを味わった住民らに屋台でコーヒーを提供し、持病などについての話が弾んだ。血圧測定をした住民の女性(69)は「血圧は安心だと聞いて落ち着いた。ここまで来てくれてありがたい」と喜んだ。

 グループは、勉強会などで知り合ったメンバーで5月に旗揚げ。病院嫌いや健康診断を受けない人たちと接点を持つため、白衣を脱いで町へ出よう―と意気投合した。

 対話のきっかけづくりに作製したのが、車輪付きの「モバイル屋台」。高さ約1・2メートル、長さ約1・5メートルのカウンターを広げられる。東京の下町や兵庫県豊岡市で先行する同様の取り組みを参考に作った。

 グループは当面、地域の健康イベントなどに参加し、活動をPRしていく。無料で振る舞う飲み物の経費を賄うため、お酒や料理を有料販売するバーの営業も計画している。

 発起人で看護・保健師資格を持つ菱沼路代さん(37)は「態勢がもっと整えば、地域の要望に応えていろいろな場所に出張し、気楽に相談してもらえるようにしたい」と話している。

 問い合わせはメール(communitymedist@gmail.com)で。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年08月10日 更新)

タグ: 健康

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