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第1回 川崎医大病院 前立腺がん 永井敦教授(泌尿器科) イリジウム一時刺入

照射装置を前に話す永井教授(左)、常講師

 治療法は切除手術、放射線治療、ホルモン療法の三つ。根治治療は切除と放射線、治療成績は変わらないが、欧米では放射線が主流になり、成績も放射線が上回ってきている。

 泌尿器科は放射線科(今城吉成教授)と協力し、高線量率線源(イリジウム)をがん病巣に一時刺入する治療を常義政講師を中心に始め、この十年で国内最多の約五百五十症例を治療した。半分は京阪神、九州、中四国の患者。がんがリンパ節、骨まで広がっていないケースが治療対象。

 治療成績は五年間の非再発率で表され、低リスク97%、中リスク95%、高リスク83%。「他の治療機関を10―15ポイント上回っている。切除手術の場合、尿失禁、 勃起 ( ぼっき ) 不全が出る場合もあるがこの治療ではない」と常講師。同じ組織内照射治療の低線量率線源(ヨード)永久刺入に比べ高リスク患者にまで対応が可能。一回十五分間で、一日二回照射。外照射を十三回併用して実施、三週間で全治療を終了、外来通院治療が可能。

 永井教授は「安全で治癒率が高く、治療後の生活もその前と変わらず、メリットは大きい。欧米ではすでに放射線七、切除手術三の割合になっており前立腺がんには効果的だ」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年01月22日 更新)

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