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インフル早くも流行、どう対処 岡山大病院感染症内科・草野教授に聞く

「手洗いやマスク着用などで感染予防を」と呼び掛ける草野教授

 インフルエンザが早くも各地で流行し始めている。例年は12月ごろからだが、今季は既に全国で患者の報告が相次ぎ、岡山県内でも84の定点医療機関の患者数が9月9~15日の8人から16~22日の38人へと急増。30日にはインフルエンザとみられる今季初の集団風邪が岡山市内で発生した。流行はなぜ早期化しているのか、どう対処すべきか。岡山大病院感染症内科の草野展周教授に聞いた。

 ―東京都や石川、佐賀、沖縄県など10都県で患者数が流行入りの目安(1医療機関当たり1人)を超えた。

 インフルエンザは地球上のどこかで常に流行している。日本が夏でもオーストラリアやアルゼンチンなどの南半球は冬で、流行期に当たる。赤道付近の地域では年中流行している。こうした場所に旅行した人がウイルスを持ち帰ったり、現地の外国人が日本に持ち込んだりすることで、患者が増加している可能性が考えられる。

 ―寒くなると流行するとされてきたが、今年は残暑が長引く。

 暑さ寒さよりも、ウイルスは乾燥した環境で長期間生きるという点が重要だ。エアコンを付けっ放しにしていて湿度が下がると、ウイルスが生存する期間が長くなり、感染が広がりやすくなる。湿度が上がると飛散しにくくなるが、付着物に触れれば感染することがあるのでやはり注意が必要になる。

 ―今月からワクチンの流通が始まるが、予防接種を受けるまでにどう健康管理をしたらよいか。

 帰宅時などにこまめに手洗いし、人の多い場所に出掛ける時はマスクを着用することが予防の基本。うがいやアルコールによる手指の消毒も有効だ。特に免疫力の低い高齢者は肺炎を併発して重症化することがあるので、予防接種を忘れずに受けてほしい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年10月01日 更新)

タグ: 感染症

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