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被災時の夜間診療必要訴え 県医師会の派遣チーム活動報告

県医師会が作った「JMATおかやま」の活動報告書

 岡山県医師会は、昨年7月の西日本豪雨で倉敷市真備町地区などに派遣した災害医療チーム「JMATおかやま」の活動を報告書にまとめた。県内外の医師や看護師、薬剤師らでつくる延べ239チームによる計23日間の取り組みを紹介している。

 避難所への巡回診療や被災した地元医療機関の復旧支援・診療応援などの活動について、各チームや個人が計30編の報告を寄稿した。避難所では日中の診療だけでなく、自宅の片付けなどで日中に外出している人らのために夜間の診療が必要とされたことなどを説明。医療機関の患者情報をクラウド化するなど被災によるデータ消失に備えた対策の必要性も訴えている。

 被災した患者情報を関係者が共有できればよりニーズに合った支援が継続的に行えることから、「災害時の緊急措置として、法の緩和や柔軟な運用など、あらかじめ整備しておく必要がある」との指摘もあった。

 A4判カラー、88ページ。4千部作製し、県医師会会員や県内の被災自治体、全国の都道府県立図書館などに配った。県医師会の松山正春会長は「活動を記録に残すことで、今後よりスムーズな支援の実現につなげたい」と話している。

 県医師会がJMAT活動の報告書を作るのは東日本大震災、熊本地震に続いて3冊目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年10月30日 更新)

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