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岡山医療センターで被ばく医療 県、原子力災害拠点病院に指定

原子力災害拠点病院に指定された国立病院機構岡山医療センター

 岡山県は15日、原子力事故時に被ばく医療体制の中核を担う「原子力災害拠点病院」として国立病院機構岡山医療センター(岡山市北区田益)を指定したと発表した。原発などで重大事故が起きた際、被ばくの恐れがある地域住民らを原則全て受け入れる。

 指定は10月31日付。拠点病院の支援に当たる原子力災害医療協力機関には岡山大病院(同鹿田町)、津山中央病院(津山市川崎)を併せて登録した。

 国は東京電力福島第1原発事故を教訓に2015年8月、原子力災害対策指針を改正。原発関連施設から30キロ圏内にある24道府県に拠点病院の指定を義務づけたが、鏡野町に人形峠環境技術センターがある岡山県をはじめ、山口、神奈川の3県が指定していなかった。事故時に適切な受け入れや治療が進まない懸念があり、原子力規制委が早期の指定を求めていた。

 拠点病院では、専門知識を持つ医師や看護師による医療チームを配置し、被ばく者の除染・治療、内部被ばく検査などに当たるほか、近隣での原子力事故災害時にもチームを派遣する。高線量被ばく者は、広島大など5カ所にある国指定の「高度被ばく医療支援センター」が治療を受け持つ。

 岡山医療センターの久保俊英院長は「専門知識を持つスタッフの養成に注力し、万全の受け入れ態勢を構築したい」と話している。

 また、県は地震などの災害時に24時間体制で傷病者を受け入れる「災害拠点病院」として、川崎医科大総合医療センター(岡山市北区中山下)を10月31日付で指定した。県内11カ所目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年11月15日 更新)

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