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「いきなりエイズ」に注意を 発症後発覚3割 早期発見へ検査を

 エイズウイルス(HIV)の感染段階ではなく、発症後に発覚する「いきなりエイズ」と呼ばれる患者が県内で後を絶たない。今年も24日現在、HIV感染者8人のうち2人がこのケースで、1994年の初確認からの累計は88人に上る。感染段階で治療すれば発症を抑えることができるため、県などは早期に検査を受けるよう呼び掛けている。12月1日は世界エイズデー。

 これまでの県内のHIV感染者は累計268人で、いきなりエイズがこのうち32・8%を占める計算。エイズ患者の内訳は男性81人、女性7人となっており、多くが感染リスクが高い男性同士の性交渉が要因とみられている。

 エイズはウイルスが免疫システムを破壊してしまう病気。HIVに感染後、自覚症状がない期間を経て発症する。医療の進歩により早期発見すれば投薬治療で免疫力を回復させ、発症を阻止することができるという。

 県健康推進課は「感染が分からないまま放置すると、性交渉を重ねて感染者を増やすことにもなる。心当たりがある人は検査してほしい」としている。

 同課によると、県内の病院や保健所での検査件数は9月末時点で933件(前年同期882件)となっている。

 県内の保健所は世界エイズデーに合わせ、夜間や休日の検査を実施する。無料、匿名で、一部を除き予約が必要。詳細は同課ホームページで確認できる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2019年11月29日 更新)

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