文字 

第8回 川崎病院 末梢血管センター 切断避けて救肢率91%誇る

血管内治療で使うステント

森田一郎センター長

 二〇〇六年、 末梢 ( まっしょう ) 血管疾患を専門とするセンターとして中四国地方で初めて開設。森田一郎センター長らが、主に足の血管が詰まり血流が悪くなって発症する 閉塞 ( へいそく ) 性動脈硬化症や下肢静脈 瘤 ( りゅう ) 、腹部大動脈瘤、深部静脈血 栓 ( せん ) 症などに取り組む。

 糖尿病や高脂血症などが原因の閉塞性動脈硬化症の治療は、「薬物療法」、カテーテルを血管内に挿入し病変部で風船を膨らませ広げたり、ステントで広げた状態にする「血管内治療」、そして「バイパス手術」に分かれる。年間にバイパス手術は約三十例、血管内治療二十―三十例。重症化したケースが多く、他で切断の判断がされても「救肢の最後の 砦 ( とりで ) 」として治療し、救肢率は91%。血管内治療の五年開存率は96%で「病変の難易度に影響されないのが特徴」と森田センター長。

  壊疽 ( えそ ) や 潰瘍 ( かいよう ) といった重症虚血肢の治療は、血管外科、形成外科を中心に循環器内科、腎臓内科、糖尿内科、皮膚科、リハビリ科が連携する。ハイリスクの糖尿病や透析の患者全員の下肢の血流を調べ、早期に血流障害を見つけることに努めている。足の悩みに関するフットケアー外来、腹部大動脈瘤と閉塞性動脈硬化症の専門外来もある。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年03月18日 更新)

カテゴリー

ページトップへ

ページトップへ