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第9回 岡山赤十字病院 近藤捷嘉院長 オールラウンドに対応

近藤捷嘉院長

 万一の時に十分な医療サービスを提供する―。岡山赤十字病院はこの方針を掲げ、重症患者に対応する。岡山県内でも数少ない三次救急の拠点として多くの命を救う一方、災害発生時には救護チームを派遣し被災地支援に当たる。一般診療では特にがん医療に力を入れており、相談や治療、緩和ケアなどトータルに展開している。

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近藤捷嘉院長

 地域の中核病院として、死亡率が高い四疾病(がん、脳卒中、急性心筋 梗塞 ( こうそく ) 、糖尿病)と地域医療に欠かせない五事業(救急、へき地、周産期、小児、災害)すべてに対応しています。特定の目玉の科を掲げるよりも「オールラウンド」な病院と言えます。

 「信頼され、親しまれる病院に」という理念を実践するため、具体的に進めているのが「優しい検査、正確な診断、侵襲の少ない治療」です。

 具体的には通常の胃カメラよりも細く鼻から挿入できる径鼻内視鏡を使用したり、検出機能が高いCT(コンピューター断層撮影)を導入、四月からは脳卒中の専門科も開設します。がんの手術では、侵襲を抑え体への負担が少ない腹 腔 ( くう ) 鏡、胸腔鏡手術を積極的に行っています。

 地域の医療機関との連携にも早くから取り組んでいます。二〇〇二年には診療所との連携の在り方を意見交換する研修会を発足。二カ月に一回開き、毎回百人を超える参加者がいます。

 二〇〇六年からはタッチパネルで自宅近くの病院を検索できる「岡山赤十字病院医療連携ネットワーク」(にっせきメディネット)を開設。岡山県南東部を中心に約七百の診療所が登録しています。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2008年03月25日 更新)

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