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手作りマスク 本紙記者が挑戦 縫うのは2カ所だけ

マスクの完成品。レースやアップリケをつけるなどのアレンジもできる。一番下は記者がつくったもの

「子どもが好きな柄の布を使えば、喜んでつけてくれるのでは」と話す板谷さん

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大で、全国的にマスクが品薄になっている。専門家も感染拡大を予防する効果が指摘されているマスク。「売ってないなら、作ってみよう!」と、作り方を調べてみると意外に簡単にできそうだった。倉敷市笹沖で手芸店「ドロップス」を営む板谷智美さん(36)に教えてもらい、挑戦してみた。

 思いついてはみたものの、針を持つのは数年に1度、ボタンの付け替え程度の記者(29)。少し不安もあったが、「縫うのは2カ所だけ。型紙も要りません」という板谷さんの笑顔が心強い。

 挑戦したのは、最も簡単にできるという平面的な長方形のタイプ。用意するのも針と糸、布、ゴムとすぐに手に入る材料で、どんな布を使うかによるが、150~200円ででき、洗濯すれば繰り返し使えるという。

 まずは長方形の布を準備。上4分の1、下4分の1を中央に向かって折り、次に三等分するように左右から重ねる。3層になった布のうち、一番手前の布の端を1センチ程度内側に折り込み、アイロンで丁寧に折り目をつける。柔らかなガーゼ素材は上から押さえるようにアイロンを当てるとずれにくいという。

 ここからゴム通しを作るため、針と糸で縫っていく。ペンで目印をつけた左右の端から1・5センチ程度のところを2、3ミリの幅でなみ縫いする。端まで終えたら、逆からもう一度縫う。こうすることで強度が増し、見た目も美しくなる。「縫い始め、縫い終わりが折り重なった布の内側にくるようにすると仕上がりがきれいです」と板谷さん。

 折り重ねた布がずれないようにしつつ真っすぐ縫うことに苦戦していると、「わざとジグザグの縫い目にしてもかわいいですよ」とフォローしてくれた。

 こまめにアイロンをかけたり、まち針を使ったりするとやりやすくなるそうだ。もちろんミシンを使っても良い。

 ひも通しを使い、耳にかけるゴムを取り付ければ完成。板谷さんにアドバイスを受けつつ、取材や撮影の時間も込みで所要時間は約1時間。板谷さんは一つ15分程度で仕上げるという。

 完成すると、布を折り重ねてあるため厚みがあり、しっかりとしたつくり。着用すると、自然に顔にフィットして違和感がない。耳の後ろが痛くなりにくく感じた。「市販のマスクのようにゴムが固定されていない分、顔の形に沿いやすいようゴムの長さを調節できるのは手作りの良さ」と板谷さん。ほぼ初心者の記者でも、予想以上に簡単に作れた。

 プリーツを入れたり、立体型にしたりといった“応用編”も、市販の使い捨てマスクを半分に折って台紙に当て、型紙を取れば基本は同じ縫い方でできるそうだ。

 板谷さんの店舗にもマスク用のゴムの問い合わせは増えていると言い、「使う布や糸の色などで、自分好みに仕上げられる。楽しみながら作ってもらえたら」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年02月20日 更新)

タグ: 医療・話題感染症

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