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介護用「冷房スーツ」開発 浴場での作業楽に ユニバーサルテクノロジーズ 背中部分に保冷剤

ユニバーサルテクノロジーズなどが開発した入浴介助者向けの「冷房スーツ」

 福祉用具開発・販売を手掛けるベンチャー企業、ユニバーサルテクノロジーズ(岡山市芳賀)は、入浴介助者が着用する「冷房スーツ」を、医療用品製造販売のダイヤ工業(同市大福)などと共同で開発した。背中部分に保冷剤を入れて体感温度を下げ、介護施設の浴場などでの作業を楽にするのが特長。12月から販売する。

 冷房スーツは、背中部分に保冷剤を装着。保冷剤は通常は固体だが、溶けるときに熱を吸収する作用がある。溶け出す温度は二〇~三〇度。介護者は涼しさを感じながら作業ができるという。

 重さは四百~六百グラムと軽量化を図った。通気性を保つため、薄手のメッシュ素材を採用した。腰痛防止用にコルセットと一体化したものなど三種類をそろえている。

 介護施設の入浴介助現場は高温多湿な環境となり、暑さや湿気などで介助者の負担は大きい。ユニバーサル社は保冷剤で作業負担が軽減できる点に着目。素材やコルセットのノウハウを持つダイヤ工業と、保冷剤メーカーの玉井化成(北海道)の協力で開発した。

 商品名は「カーナピュア」。ギリシャ神話で「健康を守る女神」の「カルナ」と、純粋さを表す英語の「ピュア」を組み合わせて名付けた。サイズはM、Lの二種。色は黒とピンク。価格は二万六千~三万六千円。

 ユニバーサル社の河原昭二社長は「介護現場ではこれまでになかった商品で、展示会の反応は上々。既に引き合いもあり、年間売り上げ一億円を見込んでいる」と話している。

 同社は大手家電メーカーに勤めていた河原社長が二〇〇五年四月設立。資本金三百万円。従業員三人。岡山県と県産業振興財団が中小企業の新分野への研究開発に助成する「岡山発!オンリーワン企業育成支援事業」の本年度採択企業となり、開発を進めていた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年11月05日 更新)

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