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早期発見の必要性強調 アスベスト疾患 岡山で市民講座 専門家3人講演

アスベスト関連疾患の治療法などを学んだ講座

 市民公開講座「アスベスト関連疾患の克服に向けて」が4日、岡山市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールであり、3人の専門家の講演を通じ、市民らが病気や治療法などへの理解を深めた。

 第18回日本臨床環境医学会学術集会(3、4日)の行事の一つ。約50人が参加した。

 岸本卓巳・岡山労災病院副院長は、種類や用途、吸い込んだことを示す医学的所見などアスベスト(石綿)をめぐる基礎知識を説明。がんの一種・中皮腫について、他の疾患と見分けるのは難しいとしながらも早期発見の必要性を強調した。

 岡田守人・広島大腫瘍(しゅよう)外科教授は中皮腫の治療法を解説。「外科的手術と抗がん剤、放射線を組み合わせた“集学的治療”の臨床試験が始まっており、結果が期待される」と述べた。

 中皮腫の早期発見や治療法の確立を目指す研究班の班長を務める大槻剛巳・川崎医科大衛生学教授は、基礎研究分野の課題を報告。「石綿により腫瘍細胞への免疫が弱まっているとみられ、それを回復する手立てを考えている」などと話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年07月05日 更新)

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