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倉敷で障害者就労セミナー 仕事継続へ支援を 細かい配慮や専門家との連携 職場づくり意見交換

障害者の職場定着について意見を交わす企業や福祉関係者

 障害者の就労支援を考えるセミナーが十一月中旬、倉敷市笹沖のくらしき健康福祉プラザで開かれた。福祉施設、養護学校、企業などから約百人が参加。「働き続ける」をテーマに、障害者が定着しやすい職場づくりについて意見を交わした。

 倉敷障害者就業・生活支援センター(同所)と岡山障害者就業・生活支援センター(岡山市祇園地先)の共催。JFEアップル西日本(福山市)、介護サービス事業を展開するコムスン(東京)の二社が事例発表した後、小グループに分かれ、話し合った。

 JFEアップルは、JFEスチールのグループ会社で、従業員七十八人のうち四十八人が障害者。「特例子会社」と呼ばれる制度で、障害特性に合った業務の再編ができ、親会社の雇用率に算定できるなどのメリットがある。同社の境和幸第一業務課長はワープロ入力作業から始め、名刺印刷や各種書類の配布、ガス・計量器の調整、修理など障害者の適性に合わせた職域の開拓に努めていることを報告した。

 障害者ならではの難しい対応を迫られることもある。てんかん性の障害がある社員が激しいけいれんを起こした時のこと。医療機関を備えた国立吉備高原職業リハビリテーションセンター(岡山県吉備中央町)に行くことで、三カ月で職場復帰。「早めにSOSを出して専門家との連携を」とアドバイスした。

 会社の中に「障がい支援課」を設けているコムスンの岡濱君枝同課課長代理は、パソコン入力の画面を分かりやすくすることで一日の入力数が倍増するなど効率が上がった例を説明。混乱させないための指示命令系統の統一や定期的な家族とのコミュニケーションなど細かい配慮の必要性を訴えた。

 さまざまな支援制度を出している行政に対しては「就職できても、職場で仕事がなくて困っているという例もある。就職が決まったら終わりではなく、定期的なフォローを」と要望した。

 小グループの議論では、来年四月からようやく法定雇用率に算定されるようになった精神障害の雇用がまだ進んでいない現状や単純作業しか与えられず意欲が低下しやすいことなどの課題が報告された。また、障害者が悩みを一人で抱えないようにメール交換をしている企業の取り組みなども紹介された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年11月22日 更新)

タグ: 福祉

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