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看取り士会、オンラインでカフェ 互いの死生観語り合う

オンラインカフェで新型コロナウイルス感染症になったときの延命処置の希望を尋ねる柴田会長

 新型コロナウイルス感染症で回復の見込みがないと判断されたとき、他の患者に人工呼吸器を譲りますか? 一般社団法人日本看取(みと)り士会(岡山市北区津高)は、互いの死生観について話し合う期間限定のオンラインカフェを開いている。医療崩壊が懸念される中、延命処置についての希望をあらかじめ考えておくのが狙いだ。

 30日まで毎日(24日を除く)、オンライン会議システムで開催する。初日の18日は長野県、東京都などから女性4人が参加し、パソコン画面を通じて同会の柴田久美子会長(67)と語り合った。

 感染爆発が起きた欧米では、不足する人工呼吸器を誰に優先して使うかが問題になった。日本でも、医師や生命倫理研究者の有志が、救命の可能性が低い患者の人工呼吸器を取り外す基準について提言している。

 柴田会長がそうした状況を説明し、参加者は「穏やかに最期を迎えたいので、可能性のある人に呼吸器を渡したい」「ギリギリまで踏ん張りたいという気持ちもあり、自分で決められない」などと意見を出し合った。

 柴田会長は「急激に症状が悪化すれば、家族とも十分に話し合えない可能性がある。事前に考えておいてほしい」と呼び掛けた。

 同会は岡山市など全国14カ所の拠点で、その人らしい最期が迎えられるよう支援する「看取り士」を養成している。2016年から毎月、集まってカフェを開催しているが、新型コロナの影響で3月から休止している。6月以降は感染防止の対策を徹底し、カフェの会合を再開する予定。

 オンラインカフェの参加は無料。毎日最大8人参加できる。問い合わせは日本看取り士会(086―728―5772、staff@mitorishi.jp)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年05月24日 更新)

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