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コードレス小型心電計を開発   岡山大大学院・佐野教授ら 不整脈検査の負担軽減  

開発されたコードレス心電計。手前左が送信機で、右が受信機

佐野俊二教授

 岡山大大学院医歯薬学総合研究科の佐野俊二教授(心臓血管外科)とベンチャー企業のメディリンク(愛知県豊田市)は、心電図データなどを最大48時間計測、保存できる小型のコードレス心電計を共同開発した。不整脈検査などの際、利用者への負担が従来機器より大幅に軽減される上、蓄積データをインターネットで送信して解析するシステムにも連動。中山間地域に住む患者を遠方の専門医が診察する遠隔医療への応用も期待されている。 

 心電計の名称は「CarPod(カルポッド)」で、胸部に付ける送信機(18グラム)と受信機(43グラム)がある。「どちらもマッチ箱程度の大きさ」(同社)と軽量小型で、双方を結ぶコードがないのが特徴。利用者が胸部に専用電極と送信機を取り付けると心電図や心拍数、体の動きなどのデータを受信機へ自動送信する。データを同社運営の解析センターにネットで送れば約1時間で結果が送り返される仕組み。主に医療機関向けに機器の販売を始めており、価格は120万円、解析料は5500〜8千円。

 不整脈検査は通常24時間の心電図が必要だが、従来機器の多くは大型で乳幼児には使えない上、コード付きで衣服の着脱に支障があった。心臓手術後に遠方の自宅で療養したり、一時帰宅した入院患者の経過観察などにも活用できる。

 同社は、専用ソフトを搭載した携帯電話を使って解析センターなどにデータを自動送信するシステム構築に着手しており、夏ごろ運用を始める予定。個人用の廉価製品の市場投入も計画しており、1人暮らしの高齢者の安否確認も可能になるという。

 機器の通信方法や小型化などを提案した佐野教授は「さらにシステムを発展させて、遠方の患者さんを救う一助にしたい」としている。

 
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年04月25日 更新)

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