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05年のエイズ感染者、患者 新たに計12人 岡山県まとめ 昨年上回り過去最多

県内の新規エイズ患者と感染者の推移(グラフ)

 岡山県内で今年新たに確認されたエイズウイルス(HIV)感染者とエイズ患者は計12人で、過去最多だった昨年の7人を大きく上回ったことが、県のまとめで分かった。県健康対策課は、世界保健機関(WHO)の定める12月1日の世界エイズデーを前に、「早期発見すれば、治療で発症を遅らせられる。不安な人は検査を」と呼び掛けている。

 県健康対策課によると二十七日現在、今年の新規感染者は八人で、過去四年間続いていた年間三人から急増。新規患者は過去最多だった昨年と並ぶ四人だった。患者、感染者とも全員男性。

 県内では一九九一年に感染者が初確認されて以降、今年を含めて感染者二十五人、患者十九人、合わせて四十四人(男性三十九人、女性五人)になった。九九年まで感染者五人、患者一人だったが、二〇〇〇年以降は大きく増えている。

 感染経路のほとんどは、国内での同性間の性的接触とみられる。

 県内十一保健所で無料、匿名で受けられるエイズ検査も、〇一年の五百人台から、〇二年には六百人台、〇三、〇四年は七百人台となっている。

 岡山市保健所の中瀬克己所長(53)は「異性間の性交渉による感染も増え、検査を受ける層も広がっている。コンドームを正しく使うなど予防してほしい」と話している。

 全国では今年十月二日現在、新規感染者は五百八十三人(男性五百三十八人、女性四十五人)、患者は二百五十七人(男性二百四十一人、女性十六人)。昨年は国内の新規患者、感染者の合計が千百六十五人と年間最多を記録し、今年に入り累計は一万人を超えた。


夜間に初の検査 12月、無料で7保健所

 世界エイズデーに合わせ、県は十二月、県内七保健所で初めてエイズの夜間無料検査を行う。

 夜間検査は一日に岡山、高梁、真庭、津山、勝英保健所、十三日に東備保健所、十四日に倉敷保健所で、いずれも午後八時まで。開始時間は各保健所で異なる。無料、匿名で受けられ、結果は一週間後に分かる。希望すれば性感染症の検査も受けられる。

 検査は前日までに予約が必要。問い合わせは県健康対策課(086―226―7331)。各保健所の無料検査はこれまでも、平日の昼間、月一、二回行われてきた。

 一日はまた、岡山済生会総合病院(岡山市伊福町)が、匿名で受けられ、結果が即日分かる検査を実施する。自己負担は二千七十円。予約は三十日までに同病院内科(086―252―2213)。

 世界エイズデーでは啓発活動として一日、県がJR総社、笠岡駅前などでエイズ患者らへの支援意思を示す「レッドリボン」やパンフレットを配布したり、中学校などで出前講座を行う。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年11月29日 更新)

タグ: 健康医療・話題感染症

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