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(3)救急科専攻医 笠岡第一病院救急科専攻医(倉敷中央病院救急科) 前壮一郎

専攻医(下段右から3人目)を囲んでの医局集合写真

真鍋島での診療を終えた専攻医を乗せ、笠岡第一病院前の桟橋に帰港

前壮一郎医師

 私は普段、倉敷中央病院で救急科専攻医として勤務しておりますが、地域医療研修の一環として、笠岡第一病院に赴任し研修させて頂いております。

 笠岡第一病院は笠岡市の風光明媚(めいび)な海沿いに位置しています。笠岡市は近隣の市町村と共に井笠地域に属し、地域の人口は16万人程度と決して少なくはありませんが、高齢化が進み、またこの地域の特性として多数の離島を有しています。このような普段と異なる環境で研修をすることで、地域の実情を理解し医療者としての多様な視点を養成することが、この地域医療研修における大きな目的の一つになっています。

 笠岡第一病院の診療では、一般内科外来に加え、救急搬送される内科疾患の患者様や外傷の患者様の診療も担当させていただいております。

 笠岡第一病院は各科の専門医も常駐していますので、各診療科と連携しながら自施設での外来、入院加療を行い、また患者様の病状に応じて、必要と判断すれば近隣の高次医療機関への紹介も行っております。近隣の高次医療機関との連携も非常に円滑であり、そのため当院でも安心して救急診療を行うことができております。患者様の病状が安定すれば、当院に再度転院し、療養していただくこともあります。このような協力関係が地域医療にとっては非常に重要であり、また今回の研修を通してますますその重要性を実感しています。

 また笠岡諸島など島嶼(とうしょ)部での医療や、在宅医療なども経験させていただいております。これらは都市部の医療機関に勤務するだけでは携わる機会が少ないものですが、地域においては不可欠であり、最も患者様の生活に密着した医療だといえます。救急医としても必要とされる視点であり、大変貴重な機会です。

 このように、地域医療研修を通してさまざまなことを経験させていただき、地域の中での救急医療の役割を再認識しています。私たちが都市部と地域の病院との間の橋渡し役として救急医療に携わることで、双方の良好な関係を築く一助になっていると思います。そのことが何よりも地域の皆様に良い救急医療を受けていただけることにつながると確信しております。(4~6月、笠岡第一病院に救急科専攻医として勤務。執筆は当時)

     ◇

 笠岡第一病院(0865―67―0211)

 まえ・そういちろう 2016年、高知大学医学部卒。同大学医学部付属病院での研修を経て倉敷中央病院救命救急センター勤務。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年07月20日 更新)

タグ: 笠岡第一病院

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