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アスベスト作業 4人に1人経験? じん肺患者岡山県連会員 事業所に検診要求へ

 全国じん肺患者同盟岡山県連合会(事務局・備前市)が、東備地域の耐火れんが産業などで過去に働いた会員五百四十人を対象に実施したアンケートによると、ほぼ四人に一人がアスベスト(石綿)にかかわる作業をした可能性があることが分かった。

 会員はいずれも粉じんが肺にたまるじん肺で労災認定されているが、アスベストの健康被害は不明。アンケートは高齢会員らの記憶に頼っており、同連合会はアスベストを扱ったとされる事業所に対し、過去の詳しい使用実態の調査や退職者向け検診を求めていく。

 同連合会の県内六支部を通じ十一月末までにアンケート。会員五百四十人のうち百五十四人が、東備地域を中心に計三十七社で以前アスベストに関係する作業をしたと答えた。内容は、れんがを焼く炉や熱風を送る配管をアスベストで断熱用に覆ったり、解体作業、アスベストを含む研磨材でれんがを加工した―などが目立った。

 県内の耐火れんが産業では、退職者の七十代男性が、アスベストが主な原因のがん・中皮腫で労災認定され、この事業所では退職者向け検診を始めている。

 横山秋男会長は「会員の多くは高度経済成長期にアスベストの危険性を知らずに働いてきた。会社の責任で、できる限りの対応をしてほしい」と訴えている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年12月11日 更新)

タグ: がん健康肺・気管

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