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(4)地域医療初期研修 笠岡第一病院地域医療初期研修医(川崎医科大学初期研修医)藤田壮、笠岡第一病院整形外科手外科・上肢外科センター医長 竹下歩(指導医)

地域研修を終えてのオリエンテーション

橋詰院長と笠岡諸島への診療同行

藤田壮氏

竹下歩氏

 竹下 現在の研修医制度では地域医療のプログラムが組み込まれており、「適切な指導体制のもとで、患者さんが営む日常生活や居住する地域に即した医療(在宅医療も含む)について理解し、実践する」ことが目標に掲げられています。

 2020年4月1日から1カ月間、川崎医科大学初期研修医2年目の藤田壮先生に当院で勤務をしていただきました。いかがでしたか?

 藤田 私は岡山でいくつかある地域医療病院として、研修医の受け入れをしている病院の中から笠岡第一病院を選択させてもらいました。1カ月間という短い期間ですが、笠岡第一病院を選択して本当に良かったと心から実感することが三つありました。

 一つ目は、笠岡第一病院に勤められている先生方、医療スタッフの方々に出会えたことです。私は将来、整形外科か皮膚科を専攻しようと考えているので整形外科を中心に研修させてもらい、そこで橋詰博行院長と出会いました。橋詰院長は整形外科の中でも手外科を専門とされていて、手術件数、治療成績は全国でトップクラスを誇っており、そのような先生のもとで外来見学、手術の助手を経験できたことは非常に幸運なことだと痛感しました。

 指導医の竹下先生にも、整形外科医として必要なことを教えていただき、気付けば尊敬すべき兄のような存在になっていました。他科の先生方も非常に優しく、忙しい中で自分のために時間を作ってくださり、指導や講義までしていただいたことが印象に残っています。

 二つ目は、笠岡第一病院での研修プログラムがしっかりと計画されていたことです。阿曽沼裕彦副院長に組んでいただいた予定には、外来見学やオペ見学のほか、地域医療に特有な真鍋島での島診療や往診が含まれていました。さらに、先生からは歯科医、薬剤師、検査技師、医事課の方々など、医療スタッフがどのような仕事をしていて、チーム医療においてどのような役割を担っているのかを直接教えていただきました。

 大学病院では島診療や往診などを経験することができず、また、研修医は多職種の方々と話す機会も少ないので非常に勉強になり、医師としての視野がより一層広がった気がします。

 三つ目は、現在私たちの生活を脅かしている新型コロナウイルスについてです。予期せぬ事態が日々起きている中、地域の病院はどう対応し感染拡大を防ぐにはどうあるべきか、病院、診療所、保健所との連携についてなど、毎朝のカンファレスに全医療スタッフが集まり議論しています。大学病院ではなく地域の病院にできることは何かを考えさせられる1カ月でした。

 竹下 私たちも地域医療を担う者として、大学付属病院など多数の病床を有する総合病院とはまた違う、当院の役割や現状を研修医の先生方に知っていただき、地域医療連携や病診連携の重要性をお伝えできるようにと思っています。また、医師の先輩として、可能な限り医学的知識や技能を学んでいただけるよう試行錯誤しているところであり、藤田先生のお話はわれわれの励みにもなります。

 藤田 私が笠岡第一病院の地域研修で学び感じたことを糧にし、川崎医科大学でも生かして日々精進したいと思います。

 竹下 藤田先生、1カ月間ご苦労さまでした。今後のご活躍を期待しています。

     ◇

 笠岡第一病院(0865―67―0211)

 ふじた・そう 2017年、川崎医科大学卒業。19年から同大学研修医。

 たけした・あゆむ 関西医科大学医学部医学科卒業。岡山大学整形外科を経て2018年から笠岡第一病院整形外科手外科・上肢外科センター医長。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年09月07日 更新)

タグ: 笠岡第一病院

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