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第40回 湯原温泉病院 温泉療法 回復を早め予防にも 広がる適用範囲

長尾昭二医師

温泉療法を指導する川上院長

 川上俊爾院長は日本温泉気候物理学会の温泉療法医。「湯原の湯は皮膚に良い。アルカリ単純泉ですから、皮膚の保護作用、洗浄作用があり、漬かるだけで肌をきれいにする。肌荒れしたアトピー性皮膚炎には合ってます」

 関節には温泉の熱が効果的。「神経痛、リウマチ、肩こり、腰痛の人たちの利用も多い。京阪神からはネットで検索し高速バスで来られます」

 温泉のぬくもりで全身の血管が広がって血流がよくなる。「病気回復を早めるし、予防にもなる」という。

 浮力を利用した歩行訓練、水圧による心肺機能強化も行え「リハビリテーションに向いています」。

 脳卒中、変形性 膝 ( ひざ ) 関節症、慢性関節リウマチなどの患者が一カ月をめどに入院し、二十五メートルのコースが三本あるプールでの温泉療法や理学療法、作業療法を組み合わせ、機能回復を目指す。整形外科の長尾昭二医師は「入院時、手足の動きの評価をしてトイレへ歩いて行くなどの目標を決めます。痛みを取るには温泉で温め、薬物投与によっても緩和します」と話す。

 温泉のリラックス効果は自律神経失調症、うつ病などにも良い。「高齢化とともに温泉療法の適用範囲は幅広くなっている」と説明する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年01月26日 更新)

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