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第47回 川崎医大病院③ 高血圧 冨田奈留也・腎臓内科准教授 まず生活習慣を改善

冨田准教授

 高血圧は140ー90mmHg以上を言う。血圧は加齢とともに上昇し六十歳以上では三分の二が高血圧。「高血圧になると血管のある所すべてに障害が出る。脳卒中、心筋 梗塞 ( こうそく ) 、腎不全、足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症、眼底出血など。ですから高血圧治療は大事です」

 高血圧の10%は二次性、つまり他の病気が原因。90%が本態性でこれに対しての治療はまず生活習慣の改善。肥満解消、減塩、食べすぎ防止、運動を行う。腎臓障害、肥満、喫煙、高脂血症、加齢などの危険因子をチェック、糖尿病があればハイリスクになる。

 リスク分類し薬で血圧を下げる降圧剤治療を始める。血管を広げるCa 拮抗 ( きっこう ) 剤、塩を体外へ出す利尿剤、塩を取り込む物質アンジオテンシンの産生を抑えるARB、ACE阻害剤など症状に合わせて投与する。

 血圧と腎臓は密接に関係し腎障害があると上昇し、上昇が続くと悪化する。「腎機能が低下し透析に至る最大要因は糖尿病性腎症。糖尿病患者には早い段階でARB、ACE阻害剤を中心に降圧剤治療が行われる」

 大阪大、スタンフォード大で学び四年前、川崎医大准教授に。日本高血圧学会指導医、専門医。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年03月23日 更新)

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