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腸管出血性大腸菌感染症が多発 岡山市、食中毒対策呼び掛け

 岡山市内でO157など腸管出血性大腸菌による食中毒が多発している。今年の患者数は15日現在で51人に上り、過去10年で最悪のペース。市保健所は「急増の原因は特定できていない。食中毒対策の基本を徹底してほしい」と呼び掛けている。

 腸管出血性大腸菌感染症の患者が急増したのは6月以降。9月までの4カ月で37人となり、10月に入ってからも11人が発症し、発生に歯止めがかかっていない。患者数は前年の同時期は13人で、今年は4倍近くに上る。

 患者の内訳は、幼児から70代まで広がり、男女はほぼ同数。多くが軽症だが、重症者も3人いる。

 急増の原因は何か。市保健所はそれぞれの事例について、外食、家庭での調理、購入した総菜や弁当、家庭菜園で収穫した野菜など、考えられる幅広い観点から調査したが、感染源の特定には至らなかった。集団発生はなく、「散発の事例が相次いだとみられるが、なぜ増えたのか原因ははっきりしない」とする。

 今年は新型コロナウイルスの影響で、飲食店のテークアウトやデリバリー販売が広がり、厚生労働省は衛生管理を徹底するよう注意を促している。ただ、市保健所によると、市内の感染例では、テークアウト販売などの影響は確認されなかったという。

 市保健管理課は「調理器具はよく洗う、生ものはしっかり加熱する、料理はできるだけ早く食べるといった基本的な対策で食中毒は防げる。予防を徹底してもらいたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年10月16日 更新)

タグ: 感染症

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