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第53回 重井医学研究所付属病院 血液浄化療法センター 県内最大の透析施設 C型肝炎治療にも応用

120床の血液浄化療法センターは岡山県最大規模

 部屋の端から端まで並ぶベッドは百二十台。岡山県内最大の透析施設には、岡山市はもとより、東は備前、西は福山から、腎不全の患者が訪れる。

 もともとが腎臓病の専門病院。「遠方からも来られるのは、長年の信頼があればこそ」。有元克彦・血液浄化療法センター長は伝統の重みをかみしめる。

 透析は、血液中の老廃物などを、機能が低下した腎臓に代わり、装置を使って取り除く。現在、約三百人が週三回受けている。

 スタッフは医師、看護師、臨床工学技士ら総勢約七十人。一度に百近く埋まるベッドを行き来し、目を配る。

 透析患者は増加の一途。腎不全の予備軍である慢性腎臓病への対応が重要視されている。四月に開設した慢性腎臓病外来も担当する有元センター長は「早めの治療で透析が必要になる前に治すことが大切」と呼び掛ける。

 また腎不全の原因で一番多いのが糖尿病。「透析を受けることになっても、合併症を起こさないため、引き続き糖尿病への十分な治療が必要」と真鍋康二副院長は注意する。

 このほか同センターでは、昨年四月、保険適用となったC型肝炎に対するウイルス除去療法も行う。インターフェロン療法との併用で、難治な症例でもウイルスが消える確率が高くなるという。真鍋副院長は「腎臓に加え肝臓内科も充実した当院ならではの取り組み」と話す。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年05月18日 更新)

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