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第56回 倉敷平成病院 脳卒中まひ機能再建外来 筋肉や腱緩め改善

手術を控えた患者の足の状態を確認する渋谷医師

 脳卒中など脳の障害による後遺症で手足に負ったまひを改善させる治療法がある。過度に緊張している筋肉や 腱 ( けん ) を手術で緩めることで、手のひらが開いて物をつかめるようになったり、腕が上がるようになる。足首の変形を直し、ゆっくりとだが、歩けるようになった患者もいる。

 「整形外科的選択的 痙 ( けい ) 性コントロール手術」は、脳性まひの子どものための手術として編み出した東京の医師に渋谷啓整形外科副部長が師事。3年間で約600例の手術に携わって技術を習得、昨年8月に外来を設けた。

 どの腱をどれだけ伸ばすか、どこの筋肉をどう緩めるかは経験が頼り。その上で、渋谷医師は「リハビリとのコラボレーションが欠かせない」と指摘する。リハビリが充実した病院だからこそ、手術の効果も期待できるという。

 4月下旬、東京で渋谷医師の治療を受けてきた北海道の40代女性が、新たな手術のため入院。29歳の時、脳出血して手足にまひが残ったが、度重なる手術で、手のひらが開くなど運動機能が少しずつ上がっている。

 診察中も笑顔を絶やさない女性。渋谷医師は「患者さんが『手術してよかった』と喜んでくれた時が、やっぱりうれしい」と笑顔で応えた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年06月08日 更新)

タグ: 脳・神経脳卒中

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