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第56回 倉敷平成病院 スポーツ外来 選手の気持ちにより添う

リハビリに励む選手に調子を聞く平川医師(右)ら

 病院の雰囲気ががらりと変わる毎週水曜日夕。制服やトレーナー姿の中高生らが目立つ待合室。リハビリテーションセンターからは流行の音楽が流れる。

 担当は日本体育協会公認スポーツドクターの平川宏之整形外科医長。専門外来として昨年5月に独立した。骨折や脱臼、 靱帯 ( じんたい ) 損傷、疲労骨折、野球肩…。スポーツでの体のトラブルを治療し、トレーナースタッフとともにリハビリに当たる。

 平川医師のモットーは、選手のサポーターであること。「ドクターストップをかけるのは簡単。でも、練習を休んでけがを治しても大事な試合に出られなければ精神的なショックを残す」。だからこそ、選手の気持ちにより添った治療を選択する。

 最後の大会に間に合った高校野球部員、ひざのけがを克服して県選抜に選ばれた選手…。一人が欠けても団体戦に出場できない中学生の柔道部で、骨折した部員を緊急手術、完全ではなくても試合に出られるまでにコンディションを整えたこともある。「一生懸命に頑張ってきたのだから喜びを味わってもらいたい」

 将来は、医療とスポーツの懸け橋として、「メディカルスポーツセンター」の開設を夢見る。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2009年06月08日 更新)

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