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松岡宏明・岡山市保健所長に聞く 新型コロナ 諦めず感染防止徹底を

感染予防の徹底を呼び掛ける松岡所長

 岡山市内で新型コロナウイルス陽性者が200人を超えるなど、感染が急増している。松岡宏明市保健所長は「拡大局面にあることは確かだ」と市民に感染予防の徹底を訴えている。

 ―市内は感染の「第3波」の様相だ。

 「第3波」かは事後に分かること。ただ、10月中旬以降、感染経路の分からない30~50代の患者がぐんと増えている。市保健所としては把握できていないものの、この時期に宴会やイベントなどを通じて隠れたクラスター(感染者集団)が発生した可能性があり、そこから拡大したと推測している。

 ―社会経済活動と感染対策との両立が求められている。

 例えば飲食の場の危険性が指摘されるが、そのもの自体が危ないわけではない。会食でも大声で騒がなければ、飛沫(ひまつ)の発生が減り、かなり危険を回避できる。新型コロナは爆発的に広がる特徴がある。クラスターが起こると収束までにはかなりの時間を要する。小さな芽をいかに早く摘むかが大切になる。

 ―感染を疑った場合、どうすればよいか。

 検査態勢は整ってきており、市内の医療機関では午前中に検査すれば、午後には結果が判明する。症状があれば速やかに受診してほしい。最近、行動歴の調査に協力してもらえないケースもある。行動歴や接触者の調査が迅速に進めば、さらなる拡大を防ぐこともできる。ぜひ調査に協力してもらいたい。

 ―今後の見通しは。

 感染拡大の波を繰り返しながら、ワクチンの完成を待つのが当面の戦略だろう。市民一人一人に予防の徹底や会食時に注意を払ってもらうことなどで、感染拡大をある程度押さえ込めると期待している。重要なのは粘り強く取り組み、諦めないことだ。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2020年11月20日 更新)

タグ: 感染症

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