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熱中症 湿度高い日は危険 岡山理科大准教授 63日間調査で裏付け

 湿度の高い日は熱中症に注意を―。岡山理科大総合情報学部の大橋唯太准教授(環境気象学)らは、国際的に利用されている「暑さ指数」が高いほど熱中症疑いの患者が多く発生することを、岡山市内で行った長期調査で裏付けた。湿度を重視した同指数は環境省などが予測値を公表しており、「熱中症予防に活用してほしい」と呼び掛けている。

 暑さ指数は湿度、気温、日射を考慮した三つの温度を特別な計算式で算出。反映比率は湿度7、日射2、気温1と、湿度の要素が高い。指数31度以上を「危険」とするなど、数値が上がるほど熱中症リスクが高くなる。

 調査は猛暑だった2008年7月16日〜9月16日の63日間、同市中心部の屋外駐車場、農場、岡山地方気象台の3カ所で計測。暑さ指数をはじき出し、同市消防局がまとめた熱中症疑いの患者搬送数(162人)との関連性を調べた。

 患者は暑さ指数31度前後が続いた7月16〜28日に集中し、全体の約6割(98人)を占めた。同31度を超えるとほぼ患者が発生し、最多の15人が搬送された同26日は同31・7度。岡山地方気象台によると、この日の岡山市の最高気温は35・8度で平均湿度は64%。同じ指数で最高気温が37・2度と高く、平均湿度は61%と低かった同25日の8人を上回った。

 また、湿度が下がった8月18日以降は指数も30度以下になり、患者数は1日2〜0人に激減した。

 大橋准教授は「暑さ指数と熱中症リスクは密接な関係にある。今後、多様な環境で検証し、迅速に数値が提供できるシステムも考えたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2010年08月04日 更新)

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