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岡山の病院 04年治療実績アンケート 高度な手術 大病院に集中 専門化一層進む

心臓手術

大腸がん手術

乳がん手術

 岡山県内の病院・医院が2004年に行った治療実績について、山陽新聞社は27日までに、58施設を対象にアンケートを実施した。日本人の死因の6割を占めるがん、脳卒中、心臓病など高度な技術が要求される手術は、主に県南部、津山市の大規模病院が手掛ける一方、乳がんなど一部の疾患は、その分野に特化して取り組んでいる施設に集中していた。


 がんは胃、肺、肝臓、食道など十二種類を調査。総数に加え、開腹、内視鏡(EMR)、腹腔鏡といった手術法の件数、乳がん、大腸がんはそれぞれ、乳房と肛門温存率も聞いた。

 がん別死因ワースト1で、年間約五万六千人が命を落とす肺がんの総手術数は岡山大病院(岡山市)の百七十四例を筆頭に、倉敷中央病院(倉敷市)百五十四例、岡山赤十字病院(岡山市)六十六例。胃がんは倉敷中央病院二百三十二例、岡山済生会総合病院(同)百九十例、津山中央病院(津山市)百七十二例と続く。

 乳がんはおおもと病院(岡山市)が百九十七例とトップ、次いで川崎医科大付属病院(倉敷市)百三十八例、倉敷中央病院百十七例だった。

 がんに次ぐ死者数の心臓病は、冠動脈バイパス手術や弁膜症手術など四項目について聞き、心臓手術総数は心臓病センター榊原病院(岡山市)の三百二十四例が最多。心カテーテルは、倉敷中央病院が全国トップクラスの千四百七十七例で、榊原病院四百九十八例、国立病院機構岡山医療センター(岡山市)三百九十六例など。榊原、倉敷中央の二病院が中心的な役割を担っている。

 脳疾患は脳動脈りゅうと、発生率がほぼ一万人に一人といわれる脳腫瘍(しゅよう)手術。脳動脈りゅうは岡山旭東病院(岡山市)の八十七例を筆頭に、倉敷中央病院七十二例、岡山市民病院(岡山市)五十二例など。脳腫瘍は岡山大病院が九十九例と最多だった。また、鼓膜に穴が開き細菌感染を繰り返す場合などに行う鼓室形成手術、糖尿病の合併症による網膜症に対する黄斑下手術など特殊な症例は、岡山大、倉敷中央、川崎医科大付属病院など高度な設備が整った施設と専門医を配置する病院に集中していた。

 調査結果は三十六項目にわたり、病気別治療実績として山陽新聞ホームページの「岡山医療ガイド」に掲載している。


 ▽アンケート方法 二〇〇四年一月~十二月に行った手術数について、岡山県内五十八病院・医院を対象にアンケートを実施、四十四施設から回答を得た。各施設からの報告、一部は社会保険庁の公式データを治療実績としてまとめた。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2005年12月28日 更新)

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