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県内120施設でワクチン優先接種 1月中にも選定方針

 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、岡山県は21日、3月中旬にも始める医療従事者らへの優先接種に向け、地域ごとに接種施設となる医療機関計約120施設を選定する方針を示した。既に協力が可能な医療機関との調整を進めており、今月中にも態勢を固めたい考えだ。

 この日、接種の開始に備えて県が立ち上げた県内27市町村との協議会の初会合で報告した。県内での接種スケジュールについても説明し、国が示している方針に沿い、県が3月中旬から医療従事者ら、市町村が同下旬から高齢者や基礎疾患がある人への優先接種をそれぞれ行い、その後に一般に対象を広げるとした。

 県によると、医療従事者らの優先接種に向けて、10日間で千人以上の接種に対応できる「基本型施設」に21施設を選んだ上で、メーカーからワクチンの配送を直接受けられるよう超低温冷凍庫を配備。さらに、基本型施設からワクチンの供給を受け、5日間で100人以上に接種可能な「連携型施設」として約100施設を確保する。

 基本型施設は、高齢者や基礎疾患がある人への接種を始める段階で約50施設、一般に対象を広げる際には医療機関以外を含めた約150カ所に増やすことを想定。県は県病院協会を通じ、接種への協力が可能かどうかを尋ねる意向調査を約160施設に実施しており、おおむね好意的な回答を得ているという。

 初会合で県はまた、医療従事者らへの優先接種に際して、接種を受ける人の規模を把握するための調査を2月上旬に実施することも明らかにした。会長に就いた県新型コロナウイルス感染症対策本部の根石憲司事務局長は「感染拡大による医療崩壊を防ぐためにも、態勢づくりを着実に進めたい」と述べた。

 ワクチン接種を巡っては、国が2月下旬から、安全性の確認に向けて医療従事者への先行接種を開始することとしており、県内では国立病院機構岡山医療センターと岡山労災病院(いずれも岡山市)のスタッフが対象になっている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年01月22日 更新)

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