文字 

(1)新棟機能のご紹介 倉敷成人病センター病院長 梅川康弘

梅川康弘氏

 本日2021年2月1日新棟が開院となりました。269床の病床数は変わりありませんが、新棟の1階には包括的ながん治療が行えるよう放射線センターを新設し、通院治療センターを既存棟から拡大移転しました。

 2階には眼科専用の手術フロア(周術期ラウンジ、眼科専用手術室)と低侵襲(ロボット)手術専用の手術室を設置し、手術室を8室から15室へ増室しました。3階には25床へ増床した透析センターと、新設した「アイセンター」の外来、4階にはアイセンター病棟、5階には婦人科専用病棟、そして最上階の6階は最大340人収容可能なホールを設けています。

 安心して診療・治療を受けていただけるように、そして、新棟を訪れる全ての方にとって病院にいる緊張感を忘れることができる「心安らぐ癒やしの空間」となればという想いのもと、デザイン面でもさまざまな演出を施しています。

 ■患者さんファースト「ロボット先端手術センター」

 術前・術中の患者さんの心身のストレス軽減に配慮した「ロボット先端手術センター」を開設しました。専用手術室を4室新設し、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を2台体制に強化。婦人科・泌尿器科を中心とした低侵襲手術の提供をさらに強化してまいります。患者さんがリラックスして手術に臨めるように手術センター内は温もりのある照明と木目調仕上げで統一し、手術中の身体的ストレスを軽減する輻射(ふくしゃ)式空調を採用するなど、患者さんのための工夫を凝らしました。

 ■外来・病棟・手術の機能を集約した「アイセンター」

 2~4階にはアイセンターの機能を集約しています。2階に設けた周術期ラウンジと専用手術室、3階の外来、4階には病棟を配置するなど、無駄のない機能的な動線をつくりました。

 当院はこれまで加齢や高血圧、糖尿病などで生じることのある網脈絡膜・硝子体(しょうしたい)疾患、黄斑疾患などの「眼底疾患」に対して高い専門性を持って、患者さんの心身に負担の少ない低侵襲治療を提供してまいりました。

 「アイセンター」では、上記に加え、緑内障の最新治療や白内障、さらには角膜疾患など、さまざまな眼科疾患を抱える患者さんへの総合的な対応が可能になりました。

 患者さんが特に不安に思われる目の手術ですが、手術室は温もりある内装に仕上げ、手術中にはネックスピーカーから優しく聴こえるヒーリングミュージックに身をゆだねていただけるよう音環境にも配慮いたしました。また、高精細4K(3D)ビデオ技術を搭載した手術用顕微鏡システムの導入により、さらに眼への負担を最小限にする低侵襲の治療を追究してまいります。

 ■包括的ながん治療を可能とする放射線治療

 地域のがん患者さんに寄り添い続けたいと願い、放射線センターを新設し、通院治療センターを既存棟から拡大移転しました。放射線センターは、乳がん・子宮頸(けい)がん・前立腺がん・肺がん・食道がんなどの根治治療や痛みを和らげる緩和治療に広く対応できる高精度放射線治療装置を導入するほか、岡山県内では1施設しか行っていない前立腺がんに対する「密封小線源療法」を開始します。通院治療センターは、患者さんやご家族がゆっくり過ごしていただけるようプライバシーに配慮した治療ブースを構え、治療当日、院内の移動を最小限で完結できるよう診察室や検査室も併設しています。

     ◇

 倉敷成人病センター(086―422―2111)

 うめかわ・やすひろ 津山高校、島根医科大学医学部卒業。同大学附属病院、興生総合病院(三原市)を経て1995年から倉敷成人病センター内科に勤務。内科部長、副院長、倉敷成人病クリニック院長を歴任し、2019年6月から倉敷成人病センター病院長。専門は総合内科、消化器疾患、肝疾患、感染症。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医など。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年02月01日 更新)

関連記事

ページトップへ

ページトップへ