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コロナワクチン 県内から期待の声 副反応へ不安も

岡山医療センターに設置されたディープフリーザー。ワクチンの特例承認を厚労省の専門部会が了承し、接種の準備が加速する

 米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルス感染症ワクチンの特例承認を厚生労働省の専門部会が12日、了承した。岡山県内では、医療従事者への先行接種が始まる医療機関が準備を急ぎ、コロナ禍でさまざまな影響を受けている市民からは「明るい兆しが見えた」との声が上がった。一方で副反応などへの不安から、すぐに受けることに慎重な人もいた。

 同意が得られた医療従事者への先行接種が行われる岡山労災病院(岡山市南区築港緑町)と国立病院機構岡山医療センター(同市北区田益)には、ワクチンを超低温で保管する冷凍庫「ディープフリーザー」が7日、国から各1台配備され、準備が本格化している。

 「速やかに接種を始められるようにしたい」と対象者が約600人いる岡山労災病院の芳野雅文事務局次長。接種場所や予診スペース、接種後の体調異変に備える待機場所を設けるなど実施態勢の検討を重ねている。

 約1400人の対象者がいる岡山医療センターも通常診療に支障が出ないよう、分散して受ける計画を組んでいる。猪野博久企画課長は「ワクチンの安全性に関して正確なデータを提供できるよう使命を果たしていきたい」と話す。

 市民からはコロナ禍を脱するための一歩と期待する声が上がった。

 JR岡山駅にいた会社員女性(30)=岡山市南区=は「予防策が外出自粛やマスク着用、手洗いなどに限られる中、一歩進んだ感じ。元の生活に戻るには時間がかかるが、明るい兆しが見えた」。会社員女性(53)=同市北区=も「職場で人と接する機会が多いので、接種の順番が回ってきたらすぐに受けたい」と言う。

 ただ、アレルギーなど副反応への不安も。津山市、住職男性(66)は「65歳以上が優先的に接種を受けられるとの話だが、命に関わることなので、しばらくは様子をみるつもり。3密の回避や手洗いの徹底といった対策を引き続きしっかり取っていく」と話した。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年02月13日 更新)

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