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コロナ後遺症外来開設 岡山大病院・徳増助教に聞く 「複数の診療科連携し治療」

「さまざまな診療科の専門医の協力を得て治療に当たりたい」と話す徳増助教

 新型コロナウイルスに感染し、治療した後も「後遺症」に悩まされる患者がいるとの報告が国内外から相次ぐ中、岡山大病院(岡山市北区鹿田町)は専門の「コロナ・アフターケア外来」を設けた。県内では初めてとみられる専門外来の開設に携わった総合内科・総合診療科の徳増一樹助教(35)は「複数の診療科が連携し、後遺症を取り除けるよう力を尽くす」と述べた。

 ―さまざまな後遺症があると聞いている。具体的な症状は。

 国内外の研究によると、後遺症の症状は全身の倦怠(けんたい)感や味覚・嗅覚障害、脱毛、抑うつや不安、筋力低下、食欲不振などさまざまあるようだ。複数の症状が出る可能性もある。

 ―15日に開設された専門外来の受診を希望する場合、どのようにすればよいのか。

 専門外来が設置された総合内科・総合診療科の医師が交代で診療に当たる。診療日は毎週月、火曜で既に予約も入っている。注意してもらいたいのは、かかりつけ医の紹介状が必要ということ。かかりつけ医を通じ、総合患者支援センターの担当に予約してもらいたい。

 ―診療の具体的な流れについて聞きたい。

 問診に続いて診察、検査といった流れになる。問診では発症した時期や症状の程度などを聞き取る。倦怠感がある場合には血液検査を行い、甲状腺や副腎の機能を確認するほか、呼吸器疾患ならば胸部のレントゲンを撮影するなどして原因を探る。

 ―総合内科・総合診療科の医師だけで対応できない場合も想定される。

 投薬などで治療できる場合もあるだろうが、そうでないケースも生じるだろう。岡山大病院には多くの診療科がそろっており、専門医も多い。必要と判断すれば、精神科神経科や耳鼻咽喉(いんこう)科、皮膚科などに協力を仰ぎ、治療を進めたい。

 ―専門外来の設置は全国的にも珍しい。

 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)などに開設されているようだ。後遺症が引き起こされるメカニズムは不明であり、新型コロナ感染者の増加とともに後遺症に苦しむ患者は増えていくだろう。患者のQOL(生活の質)向上へ全力で治療に当たるとともに、症状が現れる割合や持続性の把握、分析も行い、今後の治療に役立てていきたい。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年02月28日 更新)

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