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江橋賞に岡山大大学院の西堀教授 県内初、脳疾患治療の研究評価

西堀正洋教授

 薬理学分野で優れた業績を上げた研究者に贈られる「江橋節郎賞」の2020年度受賞者に、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の西堀正洋教授(薬理学)が選ばれた。今回で14回となるが、岡山県内からの受賞は初めて。

 西堀教授は、体内で炎症を引き起こすとされるタンパク質「HMGB1」に関し、その働きを抑えることが脳出血など脳疾患の治療に有効であることを世界に先駆けて証明。治療薬の実用化を目指し研究を進めている。

 賞は、筋ジストロフィーの早期診断法を確立した東京大名誉教授の江橋節郎氏(06年没)を顕彰するため、日本薬理学会が07年度に創設。独創・飛躍的な取り組みで薬理学発展への貢献が期待される会員歴10年以上の研究者を対象に、各年度1人を選んでいる。

 同学会によると、西堀教授は研究成果を実際の臨床医療の場に生かす「橋渡し研究」において高い成果を上げたと評価された。

 西堀教授は「薬理学をけん引してきた江橋氏の名を冠した賞をいただき、大変光栄だ。これからも研究にまい進したい」と話す。

 授賞式は9日、札幌市である同学会年会で行われ、西堀教授は講演も行う。

 過去の受賞者には、ノーベル医学生理学賞受賞者で、京都大iPS細胞研究所所長の山中伸弥教授らがいる。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年03月07日 更新)

タグ: 岡山大学病院

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