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岡山 介護施設でアート 能舞台移設 「月と水」視覚化 彫刻家・空間デザイナー よしもとさん手掛ける 

移設された能舞台「月の舞台」と、よしもと正人さん

丸みを帯びた形状が子宮をイメージさせる「月の舞台」入り口

よしもと正人さん

 彫刻家・空間デザイナーのよしもと正人さん(46)=岡山市伊島町=が建築のアートプロジェクトを手掛けた私設の高齢者介護施設が、岡山市兵団に完成した。旭川に面した立地を生かし、四季の移ろいを体感できる工夫に加え、旧家に代々受け継がれてきた能舞台を建物内に移設するなどユニークなアートの試みが注目されそうだ。

 同施設は、鉄骨造り五階建てで、スパイラル(水川敬子社長)が運営。介護付き有料老人ホーム(定員十九人)やデイサービスの機能を持つ複合施設。二月に開所予定。

 旭川や月を借景にするロケーションから、「空きスペースに絵、オブジェなど飾る後付けではなく、旭川、操山など豊かな自然と一体になった、空間に生きるアートを考えた」とよしもとさん。

 「月と水の要素の視覚化」というプロジェクトは、フロアごとに青、黄など色彩を統一したほか、渦の持つ調和と律動をステンドグラスで表現、駐車場は水面に映る月のように万成石を張るなど趣向を凝らした。

 利用者の視点に立ち「遊ぶことができ、同じ場所にいながら四季、新鮮さを感じてほしい」と、既存の灯ろうを生かして外との境界をできる限り排除した和風の庭を造り、“衣替え”ができる手すき紙の壁など細部にまで気を配っている。

 中でもユニークなのは、最上階の五階にある能舞台「月の舞台」。建設地にあった民家から移築、舞台と客間の周囲には回廊が巡る。よしもとさんは「癒やしの場としてはもちろん、ワークショップ、若手アーティストの良質な作品を紹介する場として活性化していけば」と、地域社会の新たな出合いの場になることを期待する。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月14日 更新)

タグ: 介護高齢者福祉

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