文字 

4割近く一般患者の手術中止や延期 岡山県内コロナ影響を本紙調査

コロナ患者がいる集中治療室(ICU)に入るため防護具を身に着ける倉敷中央病院の医師(同病院提供、画像の一部を加工しています)

 昨年3月22日に岡山県で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されてから1年が経過した。この間に判明した感染者は2619人、死者は35人に上った。1年を前に、山陽新聞社が県医師会の協力を得て実施した調査では、コロナ患者の入院病床がある県内の医療機関のうち、4割近くが他の患者に対する手術の中止または延期を経験。コロナ対応が日常の診療に少なからず影響を及ぼしてきた実態が改めて浮かんだ。

 調査で回答した施設のうち、コロナ患者の入院を受け入れていたのは16施設。このうち、コロナ患者への対応に追われて「一般患者の手術を中止または延期したことがある」「救急搬送患者の受け入れを断ったことがある」としたのは、それぞれ37・5%だった。「一般患者の入院を断ったことがある」は25・0%。「縮小した診療科や病床がある」は75・0%に上った。主には昨年10月下旬ごろ始まったウイルス流行の「第3波」の影響とみられる。

 県医師会の松山正春会長は「コロナが収束しなければ、医療提供体制へのしわ寄せは続く。医療崩壊を起こさせないためにも、3密回避といった感染対策を県民に呼び掛けたい」としている。

 調査では、コロナ禍以前より医業収入が大幅に落ち込んだり、風評被害を受けたりした状況も明らかになった。

 調査方法 2月中旬から3月上旬にかけ、岡山県医師会に加盟する医療機関1383施設を対象にインターネットを通じてアンケートを行い、268施設から回答を得た(回答率19・4%)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年03月21日 更新)

タグ: 医療・話題

ページトップへ

ページトップへ