岡山県は２４日、高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種について、施設入所者以外は５月１７日から県内で一斉に始める方針を明らかにした。４月中はワクチンの供給が限られることから、集団感染のリスクが高い施設入所者への巡回接種を先行して進めることとしている。

　この日、県と全２７市町村による協議会の会合で県側が方針を説明し、了承された。また５月１７日の開始に合わせ、居住地以外の自治体でも接種を受けられるよう県内全自治体が共同で体制を構築することも改めて確認。同９日までに各市町村が対象者に接種券を送り、予約の受け付けを同１０日から始める。

　県によると、ワクチンは同１０日の週以降、各市町村の需要に応じた量が国から出荷される見通し。それまでは既に接種を終えた医師が施設へ出向いての巡回接種を進め、供給が安定した段階で診療所での個別接種や公共施設での集団接種をスタートさせる。

　協議会長を務める県保健福祉部の根石憲司・福祉政策企画監は会合後、「県医師会などの関係団体と連携しながら、市町村を全面的に支援していきたい」と述べた。

　高齢者への接種は、政府が４月１２日から全国でスタートさせる方針を示しており、同５日の週からワクチンの出荷を開始、６月末までに全ての高齢者分を市町村に届けるとしている。ただ、４月中の県内への供給は県内の高齢者約５６万人に対して約２万４千人分にとどまる見通し。