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携帯電話使用、一部解禁相次ぐ 福山市内の病院 医療機器の安全性配慮 利用場所を指定

福山市民病院に設置された携帯電話室

 福山市内の病院で、使用場所を決め患者や家族の携帯電話使用を一部認める所が相次いでいる。これまで医療機器の誤作動を引き起こす恐れがあるとして院内は全面使用禁止だったが、携帯電話の普及に伴い家族への緊急連絡や患者らの要望に配慮。機器への影響がない場所に通話の声が他の患者の迷惑にならないよう専用ブースを設けたり、待合室など共用スペースではマナーを守った使用を呼び掛けている。

 各病院では医療機器の誤作動が問題となった約十年前から院内使用を禁止。院外での通話を呼び掛けてきたが、家族らは院内の階段や通路で使う姿がみられた。

 一方、広い院内の連絡用に、医師や看護師に携帯電話より電波が弱いPHS(簡易型携帯電話)を持たせる病院も増加。携帯電話の電波で誤作動を起こす基準ははっきりしていないが、各院とも機器に影響がなく他の患者らの耳障りにならない場所など条件に一部解禁を検討してきた。

 福山市民病院(同市蔵王町)は昨年四月の救命救急センター稼働後、患者や家族が携帯電話で緊急連絡を取るケースが増加。「医療機器の安全も考え、使用場所を示した方が安心して掛けられるのでは」との意見が上がり、昨年十一月、公衆電話室として整備していた空きブースを活用し携帯電話室を開設。家族待合室の一部でも認めた。

 日本鋼管福山病院(同市大門町津之下)も「携帯電話が普及し、患者らの要望も強かった」と、昨年二月開設の南棟に専用ボックスを設置。二〇〇四年十二月に移転新築した中国中央病院(同市御幸町上岩成)は移転当初全面禁止だったが、昨年十一月、外来近くの公衆電話周辺など使用場所を決め掲示。個室の病室でも医療機器を使わない患者に限り認めた。

 ただ、各院とも複数の患者が過ごす病室や外来待合所、医療機器の多い手術室周辺など大半の場所では禁止を継続。福山市民病院は「他の患者も院内で気持ちよく過ごせるよう、マナーを守って使ってほしい」と呼び掛けている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月19日 更新)

タグ: 医療・話題

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