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栄養バランスのよい食事は? 福山平成大・鈴木客員教授に聞く 和食中心の食卓に 手抜きし健康でおいしく

「子どもは和食で育てて」と話す鈴木教授

 日本食育協会理事で、子どもと「食」の問題を研究している鈴木雅子・福山平成大客員教授(栄養学)が新刊「子どもは和食で育てなさい」を出した。肥満、落ち着きがないなど最近は心身のバランスを崩す子どもが多い。「原因は“現代型栄養失調”」と指摘する鈴木教授に、バランスのよい食事について教えてもらった。

 スーパーやコンビニに食材があふれる現代。しかし手軽さばかり追求され、今の食事はビタミンやミネラル、食物繊維が足りないと鈴木教授は指摘、“現代型栄養失調”と呼ぶ。子どもの成人病予備軍増加に加え、集中力の欠如、すぐカッとなるといった心の問題も、食のアンバランスが大いに関係しているという。

 「脳は栄養をためておくことができない器官。朝食をしっかり取らないなどして十分栄養を与えないと発達が阻害され、ボーッとしたり、いわゆるキレるもとになるんです」と警鐘を鳴らす。

 「食事の際の家族のだんらんが失われていることも問題」と鈴木教授。「親子の会話の機会が減り、子どもたちは食事の手伝いをしなくなった。食の軽視が家族の絆(きずな)を失わせている」と話す。

 著書の中で勧める和食のメリットについては「日本人が長い歴史の中で作り上げ、食べ続けてきたのが和食。日本人の体質は和食に合うようになっている」と説く。比較的低カロリーな上、主食がごはんならパンより多くの種類のおかずを取りやすいこともメリットという。

 しかし、急に食習慣を変えるのは抵抗がある人も少なくないだろう。仕事を持つ主婦なら、料理に時間をかけられない場合も多いはず。

 「料理は時間があるとき一度にたくさん作って冷凍すれば、何回も食べられます。冷凍食品は、ミックスベジタブルなど賢く使えば役立つものも多い。インスタントラーメンも少し手間をかけ野菜を加えるだけでも随分違う」

 「子どもは和食で育てなさい」では、「豆腐グラタン」や「カボチャのニンニク炒め」など和食をベースにアレンジした簡単なヘルシーメニューも紹介している。

 「時間をかけなくても工夫次第で栄養十分なメニューは作れます。忙しい人は『手抜きして、健康でおいしく』を心掛けて」と鈴木教授。肩ひじ張らず、まずは気軽に料理を楽しむことから始めようと呼び掛けている。

 「子どもは和食で育てなさい」はカンゼン刊、千三百円(税別)。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月20日 更新)

タグ: 健康子供

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