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インフルエンザ猛威 岡山県内、早くもピーク 感染力強いA香港型 学校・幼稚園集団発生患者 前年同期の45倍

医療関係者らを対象に開かれた新型インフルエンザ対策研修会

 インフルエンザが岡山県内で今冬、例年になく速いペースで猛威を振るっている。学校・幼稚園での集団発生は前年同期の四十五倍に及ぶ。倉敷市の特別養護老人ホームでは入所者が死亡した。流行しているウイルスは感染力が強いA香港型で、保健所など関係機関は警戒を強めている。

 県健康対策課などによると、昨年十一月二十二日に初の患者を確認。県が報告を依頼している八十四医療機関の患者数は、十二月十九日~一月一日の間は二週連続で全国最多となった。

 このころからピークに入っているとみられ、例年(一月下旬から三月ごろ)より速いペース。今月六日には二〇〇〇年以降最も早く警報を発令した。一月二~八日の一医療機関の患者数は二四・六四人。過去十年間の平均の七倍になっている。

 県は「岡山、倉敷市など空気が乾燥する日が続いている県南部に多い」とみる。

 医療機関から採取した検体の検査では、A香港型のウイルスが検出された。Aソ連型、B型は検出されていないという。しかしシーズンによって二、三種類の型のウイルスが流行することもあり、県は拡大を懸念する。

 抵抗力の弱い子どもや高齢者が感染しやすく、学校などでは十九日までの累計で、十五幼稚園、六十九小学校、十二中学校、一高校が学年・学級閉鎖などし、患者数は計二千四百六十七人。昨年同期(三幼稚園、一小学校、計五十五人)を大きく上回っている。

 保健所などによると、倉敷市内の特別養護老人ホームで十二日、集団感染があり、八十八歳の女性が死亡した。今月はこのほか、岡山市内の老人保健施設でも入所者の集団感染が確認された。

 倉敷市内のホーム職員は「全入所者と職員に予防ワクチンを接種し、面会者にはマスクをつけてもらうなど予防措置を取っていた」と話す。

 インフルエンザ警報の発令は二年ぶり。県は啓発ポスターやちらしを作製し、医療機関や学校、高齢者福祉施設などに配布。「手洗いやうがい、マスクの着用を徹底してほしい」と、注意を促している。


事前の対策万全に 岡山 「新型」テーマに研修会

 新型インフルエンザ対策をテーマに、医療関係者や保健所職員を対象にした研修会が十九日、岡山市古京町、三木記念ホールで開かれ、森島恒雄・岡山大大学院医歯薬学総合研究科教授(小児医科学)らが講演した。

 森島教授は、高病原性鳥インフルエンザがトルコで流行していることや潜伏期間が長く高熱や肺炎により死亡する割合が高いこと、人から人へ感染すれば、免疫がないため感染拡大が懸念されるといった特徴を話した。

 抗ウイルス薬のタミフルを発症後四十八時間以内に投与することが大切とした上で、「出現そのものを阻止することは不可能であり、事前の対策に万全を期すことが重要」と、行政や医療機関の対策強化を訴えた。

 二宮忠矢県健康対策課長が、流行の危険性を六段階に分けて各段階ごとに具体的な対策を定めた県行動計画について説明。「迅速、適切な対応が取れるよう、本年度中に対策訓練を実施したい」とした。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月20日 更新)

タグ: 健康高齢者子供感染症

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