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コロナ搬送増受け救急隊1隊増設 岡山市消防局、容体急変に備える

市民病院に配置された救急車と隊員

 岡山市消防局は19日、新型コロナウイルス感染症患者の搬送件数増加を受け、救急隊を1隊増設した。コロナ患者の容体急変に備えるとともに、一般の急病人や負傷者の搬送にも役立てる。

 新しい隊は、市立市民病院(北区北長瀬表町)に拠点を設置。救急救命士の資格を持つ同局救急課職員ら3人で編成し、予備の救急車を配置する。自宅やホテルを借り上げた療養施設にいる患者の病状が悪化した際、市保健所などからの連絡を受けて出動し、医療機関へ運ぶ。コロナ患者以外の救急搬送にも対応する。

 市消防局(管内・市、吉備中央町)には21救急隊がある。感染拡大で在宅やホテルにいる療養者の病状が急変するケースが増え、搬送も急激に増加。10~16日の1週間は26件の搬送があり、前週より11件増えた。1月の「第3波」のピーク(14件)を大きく上回った。

 コロナ患者を搬送する場合、入念に消毒するだけでなく、隊員が防護衣を着用したり、車内にビニールカーテンを張り巡らせたりと、1回の出動で通常の倍以上となる2時間近くを要することもあり、隊の増設を決めた。

 医療状況の逼迫(ひっぱく)に伴い、コロナ患者以外の救急搬送にも影響が出ている。受け入れ可能かどうかを医療機関に4回以上照会し、救急隊の現場滞在が30分を超える「救急搬送困難事案」が5月に入り、毎週10件以上発生した。市消防局は「救急隊が出動できない事態を防ぎ、市民の生命を守りたい」としている。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2021年05月20日 更新)

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