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がん治療遺伝子「REIC」 前立腺へ投与開始 70代患者臨床研究 岡山大病院が世界初

 岡山大病院は25日、がん治療遺伝子「RE(レ)IC(イク)」による前立腺がん治療をスタートした。REICは同大が2000年に発見し、ヒトへの投与は世界初。1年かけて有効性と安全性を検証し、実用化につなげる。

 那須保友・新医療研究開発センター教授、公文裕巳・遺伝子細胞治療センター長らが臨床研究として実施。この日午前、70代男性患者=岡山県在住=に対し、超音波モニターで患部を確認しながら、REICと運び役となるアデノウイルスを組み合わせた製剤(1ミリリットル)を患部に注射し、治療は15分で終了した。2月8日に同量を再度注射し、3月下旬に前立腺を全摘。がん細胞の減少や副作用を調べる。

 男性は病理検査などから、前立腺を全摘してもがん再発の可能性が70%以上と診断され、今回の治療に同意した。ホルモン療法などが効かないタイプの患者と併せ、臨床研究は最大36人に行う。

 REICはがん細胞を自滅、がんに対する免疫力を活性化させることが動物実験で実証された。幅広いがんに効果があるといい、岡山大病院は今春にも悪性中皮腫の臨床研究を国に申請する。

 公文センター長は「がんの再発を防止し、進行がんをも死滅させる夢の治療薬になる。早く患者さんの元に届けられるよう努めたい」と話している。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2011年01月26日 更新)

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