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岡山大で脳死肺移植 7例目 20代男性、容体安定

 大阪市の国立病院機構大阪医療センターで二十五日、くも膜下出血のため入院していた四十代の男性が臓器移植法に基づく脳死と判定された。片方の肺は岡山大病院(岡山市鹿田町)で、午後七時から四国地方在住の二十代男性患者へ移植され、二十六日午前零時十一分、手術が終了した。患者の容体は安定しているという。岡山大での脳死肺移植は七例目。

 日本臓器移植ネットワークによると、男性患者は気管・気管支などの粘膜障害を起こし、さらに肺の管が詰まり呼吸不全が進行する閉塞性細気管支炎で、二〇〇二年に片方の肺の移植が必要と判断された。

 臓器は二十五日夜、新幹線でJR岡山駅に到着後、岡山大病院に搬送。移植手術は呼吸器外科が中心となり、患者の片方の肺を摘出後、提供を受けた肺を移植した。

 心臓は東京女子医大病院で三十代男性、膵臓(すいぞう)と片方の腎臓の同時移植は京都府立医大病院で四十代男性、残る腎臓は近畿大病院で十代男性に、それぞれ提供された。

 脳死と判定された男性は二十五日朝までに二回目の法的脳死判定が終了した。男性は意思表示カードで小腸も提供するとしていたが、待機患者がいなかった。もう一方の肺と肝臓は医学的理由で提供が見送られた。

 臓器移植法に基づく脳死判定は四十二例目。移植は昨年十一月に近畿地方の病院で成人男性から臓器が提供されて以来で四十一例目。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月26日 更新)

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