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岡山大脳死肺移植 術後の容体良好 「3度目の正直」と家族

 岡山大病院で行われた四国の二十歳代男性患者への脳死肺移植から一夜明けた二十六日午前、医師団が会見し「手術後の容体は良好」と説明した。患者が過去二回、脳死移植候補になりながら医学的理由で見送られた経緯にも触れ「三度目の正直」と家族の喜びを伝えた。

 医師団によると、患者は人工呼吸器を付けた状態で、同日午後、意識が戻る見込み。移植肺の動きは良く、手術前は極度に下がっていた酸素と二酸化炭素の交換機能を示す値も正常範囲に回復したという。今後一~二週間で一般病棟に移り、退院は二カ月後の予定。医師団は「拒絶反応や感染症に注意して治療を進める」としている。

 患者は気管・気管支などの粘膜障害を起こし、さらに肺の管が詰まり呼吸不全が進行する閉塞(へいそく)性細気管支炎。二〇〇二年に肺移植が必要と判断された。岡山大病院での脳死肺移植は七例目。

 今回の脳死移植は国内四十一例目。国立病院機構大阪医療センター(大阪市)で二十五日、脳死と判定された四十代男性から臓器提供を受けて行われ、二十六日朝までに、すべて終了した。

 心臓は東京女子医大で拡張型心筋症の三十代男性に、膵臓(すいぞう)と片方の腎臓は京都府立医大で1型糖尿病の四十代男性に、残る腎臓は近畿大で巣状糸球体硬化症の十代男性に、それぞれ移植された。
※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

(2006年01月26日 更新)

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